患者さんの症状に合わせた
様々な検査が可能です
甲状腺・内分泌内科では、甲状腺を中心にホルモン異常により生じる疾患の診療を行います。近年、人間ドックや検診で、甲状腺の疾患を指摘される方は少なくありません。
当院では、甲状腺ホルモン検査や、超音波検査など様々な検査を行っておりますので、気になる症状がある方はいつでもご相談ください。
※当院の診療対象は16歳以上のため、小児科の診療は行っておりません。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
甲状腺の主な疾患
バセドウ病
アレルギーにより、甲状腺がホルモンを大量に産生するスイッチが入ってしまい、甲状腺ホルモンが過剰になってしまう状態です。
ホルモンが血液中に多くなり、ドキドキと動機を感じ、汗をかく量が多くなり、体重が減ってきます。女性に多い病気です。
放置すると、感染症などを契機にバセドウ病クリーゼという重症な状態に至ることがあり、適切な治療を継続することが大切です。
症状
- 脈が速い
- たくさん汗をかく
- 不自然に暑がりになる
- ダイエットもしていないのに体重が減るなど
治療
- 薬物療法
- アイソトープ治療
- 手術
橋本病
甲状腺に慢性的な炎症が起きている状態です。約20%の方で、甲状腺ホルモンの産生が低下し、甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが足りなくなる状態)に陥ります。甲状腺機能低下症がひどくなると、むくみや冷え性、脈が遅くなる等の症状が出現し、長期間放置すると、認知症や心不全を発症します。
甲状腺機能低下症による認知症は、適切なホルモン治療で改善することが知られています。しっかりと診断し、治療や経過観察を続けることが大切な疾患です。
症状
- 甲状腺が腫れている
- 冷え性やむくみがひどい
- 声が低くなり、話し方がゆっくりになった
- 皮膚の乾燥など
治療
- 薬物療法
亜急性甲状腺炎
ウイルスが契機となり、甲状腺内で炎症が起こることで甲状腺ホルモンが漏れ出て血
液中のホルモン量が増加してしまう状態です。
亜急性甲状腺炎では、甲状腺に痛みを感じ、発熱します。炎症を抑える薬剤を使用して治療しますが、のちのち甲状腺ホルモン値に異常が起こることもあるため、ホルモン値が元に戻った後も、しばらく経過を見ることが大切です。
症状
- 押さえると痛みがある
- 発熱、全身倦怠感
- たくさん汗をかく
- 動悸がする
- 手のふるえなど
治療
- 薬物療法
無痛性甲状腺炎
無痛性甲状腺炎は、アレルギーのため甲状腺に炎症が起こり、甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てしまう病気です。
亜急性甲状腺炎との違いは、文字通り痛みを感じることはありません。自然に治ることが多いですが、その後、甲状腺ホルモンが作れなくなってしまうことがあるので、しっかり診断して、経過観察することが大切です。
症状
- 動悸
- たくさん汗をかく
- 疲れやすい
- 脈のかずが多い
- 手のふるえなど
治療
- 薬物療法
※症状が軽い場合は、
特に治療の必要はありません。
甲状腺の腫瘍
甲状腺は内部に腫瘤(できもの)ができやすい臓器です。
大半は良性ですが、まれに悪性の腫瘍ができることがあります。
当院では、超音波検査機による検査が可能です。また、腫瘍に針を刺して良性か悪性かを調べる穿刺細胞診を行うことが出来ます。
症状
甲状腺の腫れを自覚されることも少なくありませんが、多くは健康診断などで指摘されます。
治療
-
【良性】
- 経過観察
- 薬物療法
- 手術
-
【悪性】
- 手術
- 化学療法
- 放射線療法
内分泌の主な疾患
クッシング症候群
副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンであるコルチゾールが増加し、顔が丸くなったり、胴が太るのに手足が痩せてきたり、糖尿病や高血圧などの病気が悪くなってきたります。免疫力が低下し、感染症にもかかりやすくなってしまいます。
原因としては、副腎皮質の腫瘍によるものの他、脳腫瘍によるもの、薬剤の副作用によるものなど多岐にわたるため、適切な検査を行い、しっかり診断することが大切です。
症状
- 顔が丸くなり、ニキビが増える
- 胴回りは太くなるのに、手足は痩せる
- 糖尿病や高血圧症が悪くなる
- 皮膚が薄くなるなど
治療
- 薬物療法
- 手術
原発性アルドステロン症
副腎皮質から、血圧を維持するアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される状態です。それにより、高血圧を引き起こします。
高血圧症と診断されている患者さんの、3-10%が原発性アルドステロン症であるともいわれています。降圧薬を複数使用しても血圧が低下せず、詳しく検査して、原発性アルドステロン症の診断に至ることがあります。
症状
- 数種類の血圧の薬を飲んでも血圧が下がらない
-
血清カリウム値が
いつも低いなど
治療
- 薬物療法
- 手術
副甲状腺機能亢進症
副甲状腺に腫瘍が出来たり、育ちすぎたりすること(過形成)により、血液中のカルシウムの量が高くなります。このため、尿路結石症が発症したり、骨粗鬆症がひどくなったりします。また、カルシウム値が高くなりすぎると、食事が食べられなくなったり、意識の状態が悪くなることもあります。まれに、この病気をきっかけに、遺伝による他の内分泌組織の腫瘍が見つかることがあります。
症状
- 尿路結石になった
- 骨粗鬆症がひどくなった
-
急な頭痛や吐き気・
食欲低下など
治療
- 薬物療法
- 手術